ユーミンの歌詞にどこまで共感できるか

知り合いの人たちとバンドをやっていて、サザンやユーミン、新しいのだとキリンジなんかのちょっとおしゃれなJ-POPをカバーしている。メンバーは40代2人、30代2人、20代2人。それぞれ男女1人ずつ。私が最年少だ。このうちボーカル30代女性(仮にAさん)を除く全員はバンド経験あり、うち1人は音楽系の専門学校に通っていただけあって(私以外の)演奏のレベルはかなり高い。Aさんも合唱サークルに入っていたため人前で歌うことにも慣れていたし、最初にスタジオ入りしたときは、本当にバンドで歌うのは初めてなの?と聞きたくなるくらいうまかった。

先日このメンバーで練習が終わったあとに飲み会をしたのだけど、そのときにこのAさんがぽろっと「ユーミンの曲が歌いづらい」とこぼした。カバーしているのは「中央フリーウェイ」と「あの日にかえりたい」。特に「中央〜」が歌いづらい、と言うのだ。彼女曰く「『あの日〜』も『中央〜』も歌詞の内容に共感できない。だから『中央フリーウェイ』の『初めて会った頃はー』『毎日ドライブしたのにー』の『ー』(のばすところ)にどうやって気持ちを入れて良いかわからない」と。へえええーと思った。そういえば、練習しているときもユーミンの曲だけちょっとリズムが取れていないような歌い方をしていた時があったような?それはそういうことだったのか...。

ユーミンの歌詞といえば、私の中では「共感」のオンパレードだ。恋人を待つときはいつでも「12月の雨」の気持ちで、浮気が疑われると「ルージュの伝言」。来年から離れ離れになることを考えると、まさに「あの日にかえりたい」し、新幹線で見送りたいなあと「シンデレラ・エクスプレス」を聴くのだ。ひとりになりたくて、わざわざ「海の見える午後」に出てくる山手のドルフィンまで行ったこともある。ベスト盤に「日本の恋と、ユーミンと」と名付けられるだけあって、市井の人ならみんな「共感」するものだと思っていた。

そのときは「ユーミンの独特の歌い方は真似しづらいから、他の『安定してうまい人のカバー』を聴いてみると良いのでは?」という提案で終わった。いきなり、ユーミンのあのヘタウマな独特の歌い方は難しすぎる。だから、たとえば、今井美樹とか、スタンダードなうまい歌い方をしている人のカバーを真似してみるのはどうか、と。提案したのはバンドマスターの40代男性だった。なるほど一理あるな、と思った。いま、その会話を受けて改めて今井美樹のカバーを聴いてみたのですが「あの頃はー」の「ー」のビブラートの使い方なんか、本当にめちゃめちゃうまいですね。でも確かに本家ユーミンより真似しやすそうだ。

 さて、「共感」できる私は上手く歌えるかな、と思って「あの日にかえりたい」を歌ってみた。ちょっと耳を塞ぎたくなるくらい下手くそだった。23歳の青二才にユーミンはまだ早いのかもしれない。